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2012年 03月 21日 ( 2 )

詩人の恋 CoffeeBreak ハイネとシューマンの恋愛観

あまりに失恋の主題が続いてしまったので、気持ちがどーんと重くなりました。
すこし、気分転換に、シューマンとハイネの背景についてご紹介します。

歌曲集「詩人の恋」ができたのは1840年。
この年は、シューマンにとって歌曲の年といわれています。
この年に限っては膨大の数の歌曲を残し、そのなかの傑作がこの「詩人の恋」です。
それまでのシューマンは、ピアニストへの道を挫折した後、ピアノ曲を多く書いて
いましたが、なぜこの年に急に歌曲をたくさん書いたのか。
それは、クララと結婚が成就した年だから。
クララは、ピアノの先生の娘で、シューマンよりもずいぶんと年下ということもあり
結婚への反対と困難が多い中、すべてを乗り越え、やっと「成就」できたのです。
この年に書かれた歌曲は、シューマンにとって
「すべては花嫁への愛と献身のあかし」なのでした。


そして、ハイネについても、面白い解説がありましたのでご紹介します。
 
 ハイネが自分の詩について語ったこんな言葉がある。
 「すべてはおなじ主題のささやかなヴァリエーションにすぎない」
 クララへの愛のはけ口を歌曲の中に見出した歌の年のシューマンにも
 この言葉はそのままあてはまっただろう。

 しかし、ハイネの「おなじ主題」はシューマンの場合とは対照的に、
 伯父ザロモン・ハイネの娘(つまりいとこ)のアマーリエに対する
 不幸な恋愛体験であった。
  ザロモンはハンブルグに住んだ富裕な商人で、ハイネに学資を
 与えたのも彼であった。しかし、彼は正業につこうともしない甥・ハイネを
 自分の娘婿にしようなどとは思ってなかったし、
 アマーリエ自身も、いとこのハイネの心に深い傷跡を残したまま、
 1821年にある地主と結婚してしまった。
 この愛の破局がいわばハイネの詩魂の覚醒者となり、それとともに彼の詩を
 自虐と怨恨に満ちた、苦いイロニーで彩ることになる。

                   引用:Leaderより1991年 西野茂雄

花嫁への愛のあかしとして作った歌曲と、不幸な恋愛体験をもとに
書きためたハイネの詩。このように、二人の「それぞれの主題」が、
この傑作「詩人の恋」の根底にあります。


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冨士屋一也百-はなやもも-のHP http://www.fujiya-momo.jp
by fujiya-momo | 2012-03-21 15:00 | ベートーヴェンとシューマンの恋

詩人の恋 その5  ある若者が恋をして

(変更したのが飛んでしまって、しばらく対訳だけの表示になっていました。
失礼しました)

今日は第11番と第12番です。まだ失恋の主題は続きます。

11.Ein Jüngling liebt ein Mädchen, ある若者が娘に恋し

Ein Jüngling liebt ein Mädchen,
Die hat einen andern erwählt;
Der andre liebt eine andre,
Und hat sich mit dieser vermählt.

 「ある若者が娘に恋したが
 その娘は別の男を選んだ
 その別の男はまた別の娘を愛し
 結婚してしまった

Das Mädchen nimmt aus Ärger
Den ersten besten Mann,
Der ihr in den Weg gelaufen;
Der Jüngling ist übel dran.

 ふられた娘は腹立ちまぎれに
 道であったゆきずりの男と
 見さかいもなく結ばれてしまった
 はじめのあの若者のなんと惨めなことよ」

Es ist eine alte Geschichte,
Doch bleibt sie immer neu;
Und wem sie just passieret,
Dem bricht das Herz entzwei.

 これはむかし話だが
 いつの世だって同じことだ
 こんなことがわが身に起こったら
 ひどく胸が張り裂けてしまう

詩人の恋 その5  ある若者が恋をして_e0251278_9301063.jpg


前半2節は昔のたとえ話。それを引用して、
これはよくあることなんだ
自分だけが辛いわけじゃないと
自分自身で擁護しているようにみえます。


12.Am leuchtenden Sommermorgen 輝く夏の朝に

Am leuchtenden Sommermorgen
Geh' ich im Garten herum.
Es flüstern und sprechen die Blumen,
Ich aber wandle stumm.

 輝く夏の朝に
 ぼくは庭をさまよい歩く
 花々はそっとささやきかける
 しかしぼくは黙々と歩いた

Es flüstern und sprechen die Blumen,
Und schaun mitleidig mich an;
"Sei unsrer Schwester nicht böse,
Du trauriger, blasser Mann!"

 花々がそっとささやきかける。
 そして気の毒そうにぼくを見つめる
 「私たちのお姉さんを怒らないでね
 かわいそうな蒼ざめたお方!」

詩人の恋 その5  ある若者が恋をして_e0251278_1014371.jpg


絶望の淵をさまよいながら、庭をふらふらと歩いています。
顔は青ざめて、目の前は真っ暗。美しい景色も花も目に入ることもなく。
ささやくこの花々の「お姉さん」はもちろん彼女のこと。

そうして、ふと顔をあげてみると、そこにはまばゆいばかりの夏の陽ざし。
シューマンのピアノの音で表現される太陽のきらめきが、
絶望の姿に濃い影を落とし、対比が強調されているのです。

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by fujiya-momo | 2012-03-21 00:21 | ベートーヴェンとシューマンの恋

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